Archive for 1月, 2005

宅配便への税務による言われなき差別

木曜日, 1月 27th, 2005

Aさんの税務申告書は申告期限当日に出来上がりました。このまま税務署に持ち込めば申告期限内に申告したことになります。もしAさんが忙しければこの日に郵送すればいいことになっています。

たとえ税務署に遅れて届いても期限内に申告したとされます。「郵便により提出された場合には…通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなす」と国税通則法第22条にあるからです。

さてAさんの失敗は「郵便」ではなく「運送事業者の行う宅配便」で申告書を送ったことでした。法律の定めにより「郵便」なら受付日でいいのです。

しかし法律は「郵便」と定めていますから、「宅配便」はダメです。Aさんの申告納税額は約2700万円。

「郵便」でなく「宅配便」だったために申告期日で無申告だったとして、過少申告加算税5%が課税されてしまいました。

Aさんは国税不服審判所まで争います。「宅急便は引取時間や配達時間が正確。なんでダメなんだ。」

しかし「郵便とは国が行う事業であることから、宅配便が郵便でないことは明らか」との国税不服審判所のつれない結論でした。Aさんの負けでした。

「宅配便」への言われなき差別ということでしょうか。なお民間による郵便参入制度の「信書便」に限ってはその後の法改正でOKになっています。

(国税不服審判所裁決2003.11.7.)

専門家について大学院授業料は必要経費か

木曜日, 1月 20th, 2005

ある弁護士が筑波大学の社会人大学院の授業料を必要経費とし申告し否認され、国税不服審判所でも敗れました。弁護士業務のための費用でなく自己研鑽のための費用だから、という理由だそうです。

国税不服審判所OBで現在は筑波大学大学院教授が感想を寄せています。現実の大学院では弁護士や税理士が自己の業務のために自己研鑽に励んでいるのであり、自己研鑽の為だから必要経費に当らないのはおかしいといいます。

また国税側は相当数の国税職員を公費で大学院に進学させ修士号をとらせているといいます。

「問題は、国税職員が国費で修士号を取得することは業務上必要であるが、税理士弁護士等が業務上の必要に迫られて私費で大学院の授業料を支払い、修士号を得ることが業務上必要でないとすることのギャップである。」 (速報税理2005.1.11.)