レバレッジドリースについての所得税の否認
木曜日, 3月 25th, 2004節税商品として有名なレバレッジドリースが個人について否認となりました。個人70人に対して一斉に追徴課税となり、数十億円の申告漏れです。
レバレッジドリースは節税を望む企業等からの出資金と銀行からの借入金によって、航空機等を購入しリースし、そのリース事業から発生する事業損益を投資家に分配するリース会社の仕組み商品です。
企業等は出資金を上回る資産償却メリットを享受することにより、利益を将来に繰延べながら効率的に内部留保を図ることが可能となります。 一口5000万円から1億円程度のケースが多く、利益先送り節税商品としてよく利用されています。
法人(法人税)が適用する際はそれほど問題視されていませんが、個人(所得税)が利用する場合には「?マーク」がかねてより指摘されていました。
所得税には所得の区分があります。このリースによる損失はたしかに「見かけ」だけのものともいえます。それでもこのリースの損益が「事業所得」や「不動産所得」とされるのであれば、他の所得との損益通算ができ、他の所得の課税所得を減らせます。
所得税法の条文上では「船舶や航空機の貸付け」は「不動産所得」とされます。この条文だけを単純に見れば「不動産所得」になりますが、実態から判断がなされて「雑所得」とされれば損益通算はダメです。事業リスクをほとんど負わない等の点から「雑所得」とされてしまったようです。
法人税の場合には所得の区分という概念そのものが存在しないので問題はないようです。もっとも過去には映画フィルムのリースが否認されていますので、そう楽観的にもなれませんが。
(朝日新聞2004.3.16. 納税通信2004.3.22.)
ちなみに否認する対象者のリストを課税当局が入手するのは極めて簡単です。リース会社に税務調査に入れば、このリースについての顧客リストが芋づる式に入手できます。その顧客リストについて、一斉に否認すればいいだけです。
そしてこういった税務否認については税務調査の現場での話し合いは一切通じないのが普通です。つまり「上のほう」で決まったことなので、税務調査官レベルでの勘案の入る余地はありません。
似たようなケースで、ある国税局の調査官は「自分は子供の使いですから」と言って笑っていました。