宅配便への税務による言われなき差別
Aさんの税務申告書は申告期限当日に出来上がりました。このまま税務署に持ち込めば申告期限内に申告したことになります。もしAさんが忙しければこの日に郵送すればいいことになっています。
たとえ税務署に遅れて届いても期限内に申告したとされます。「郵便により提出された場合には…通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなす」と国税通則法第22条にあるからです。
さてAさんの失敗は「郵便」ではなく「運送事業者の行う宅配便」で申告書を送ったことでした。法律の定めにより「郵便」なら受付日でいいのです。
しかし法律は「郵便」と定めていますから、「宅配便」はダメです。Aさんの申告納税額は約2700万円。
「郵便」でなく「宅配便」だったために申告期日で無申告だったとして、過少申告加算税5%が課税されてしまいました。
Aさんは国税不服審判所まで争います。「宅急便は引取時間や配達時間が正確。なんでダメなんだ。」
しかし「郵便とは国が行う事業であることから、宅配便が郵便でないことは明らか」との国税不服審判所のつれない結論でした。Aさんの負けでした。
「宅配便」への言われなき差別ということでしょうか。なお民間による郵便参入制度の「信書便」に限ってはその後の法改正でOKになっています。
(国税不服審判所裁決2003.11.7.)